問題
3人の客が1泊30ドルの部屋に泊まることになり、それぞれ10ドルずつ支払いました。
ところが、後でホテルが料金を25ドルに値下げし、フロント係に５ドルを返却するように指示しました。
この時、フロント係５ドルだと３人で分けられないことに気が付き、2ドルを抜き取り、
3人に1ドルずつ返しました。
すると、3人の支払い総額は27ドル。
そしてフロント係が持っているのは2ドル。合わせて29ドル…あれ？
最初の30ドルから1ドル消えてしまった！？
ルールの確認
この問題を考えるのに必要なのは、「足し算」と「引き算」。それだけです。
問題文を一文ずつ確認しながら、じっくりと考えていきましょう。
あなたは正解にたどり着けるかな？
正解できなくても、あたまモミモミ、思考の過程を楽しんで！
解答
消えた1ドルがどこへ行ったのか、、？
問題文を１文ずつ検証していきましょう。
前半部分
①「3人の客が1泊30ドルの部屋に泊まることになり、それぞれ10ドルずつ支払いました。」
②「ところが、後でホテルが料金を25ドルに値下げし、フロント係に５ドルを返却するように指示しました。」
③「この時、フロント係５ドルだと３人で分けられないことに気が付き、2ドルを抜き取り、
3人に1ドルずつ返しました。」
これで前半部分は終了です。
ここまでは特におかしなところはなかったですね。
重要なのはこの後です。じっくり見ていきましょう。
後半部分
④「すると、3人の支払い総額は27ドル。」
３人は合計で$30支払い、$3返ってきたので、30-3＝$27が支払総額なのは間違いないですね。
また、この27ドルはホテルが受け取った$25とフロント係が受けとった$2の合計金額（25+2=$27）と考えることもできます。
⑤「そしてフロント係が持っているのは2ドル。合わせて29ドル…あれ？」
ここがこの問題のひっかけポイントですね。
④で$27＝ホテルが受け取った$25とフロント係が受けとった$2の合計金額だったはずです。
ところが、ここにさらにフロント係が持っている$2を加えて合計$29と言っています。
つまり、この問題文の正しくない部分は「フロント係が抜き取った$2を2回計上している」ことです。
では、正しくはどうすればいいのか？
この問題のお金の動きは、本来はどのように計上されるべきだったのでしょうか？
ここまでの図を見てすでにお気づきの方もいらっしゃるかとは思いますが、
ポイントは、3人の客に戻ってきた$3です。
この問題に登場するお金の総額は$30で下記のように分けられます。
- 3人が支払った総額：$27
- ホテル受け取り分：＄25
- フロント係受け取り分：＄2
- 3人に返ってきた金額：$3
そして、支払った総額$27＋返ってきた金額$3＝$30となり、
「$1は消えていない」
ということがわかりますね！
最後に
問題文のテンポがいいので、うっかり騙されてしまいやすいですが、
順を追って検証していけば矛盾が浮かび上がってきます。
日常生活やお仕事の中でも、「あの人の意見はなんか違和感を感じるが、うまく説明できない。」といったことや、「自分の意見をうまく説明できない」という場面に遭遇することもあるかと思います。
そのような時は、順を追って検証するという思考方法を試してみると、ポイントが浮かび上がってきます。
この問題に自力で正解できなくても、解いていく過程を順に追っていくだけで、地頭力の栄養になります。
ぜひじっくりと読んでみてくださいね。
ではまた次回！
